恒温環境

地球温暖化が叫ばれ、今のように省エネ性能の向上が必須となる以前から、当事務所では「高気密・高断熱」に取り組んできましたが、それは省エネのためではなくて、 その結果として実現される住環境がすばらしいと感じるためでした。

<提案すること「恒温環境」>

  そのすばらしいと感じる内容を一言でいえば「恒温環境」ということになります。家中のすべての場所を快適な室温とした上でほぼ一定な状態にすれば、浴室やトイレ、台所などでも寒い思いをされることなく、気温の急激な変化で生じる事故や病気も大幅に減らすことができます。

  家の中全体が同じ温度になってくれば、室気温以外にも、床や壁、天井などの建築物はもちろん、テレビなどの家電製品や家具にいたるまで、全ての物が同じような温度になってくるということで、物体からのふく射熱による寒さや熱さの影響もなくなってしまいます。これはつまりは夏であれ冬であれ、室内の環境が、過ごしやすい季節(春秋)の状態と同じようになってくれるということです。

例えば窓の外には雪が降っているのに軽装でいて、それがあまりに普通の状態なので、外出時にコートを忘れ、しばらく歩き始めてから、あわてて引き返すというようなことも実際に起こります。

  徒然草に書かれた「住まいは夏を旨とすべし」は、日本の夏の過ごしにくさを念頭にした言葉ですが、時代は移って冷房が普及してきた現在、昔のように通気性に頼って夏の湿気や熱気に対処する方法は、冬のことまで考えると、もはや悪影響の方がずっと多く、体力や抵抗力の弱い高齢者が増えつつある現在では、夏冬ともに人工的な温熱空間を安くて快適な環境にするための方策がもっとも重要だと考えています。

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