南都 大安寺 護摩堂

  大安寺は教科書にも出てくる奈良時代の南都七大寺の一つ。七重塔を有し、東大寺に対して「南大寺」とも異称された巨大な伽藍でした。でも平安時代以降は徐々に衰微し、現在の境内は旧境内の一部を占めるに過ぎませんが、旧境内全域が国の史跡に指定されており、建築行為などには厳しい規制がしかれています。

  今回、当事務所ではこの護摩堂と、同時に工事した催事準備棟という二つの建物の設計監理をさせていただきましたが、そのためには事前に奈良市の文化財課/文化庁との長期にわたる折衝が必要でした。さらに工事の前提として境内全体の整備計画を求められ、元奈良文化財研究所所長で斯界の大御所、鈴木嘉吉先生を座長に境内整備委員会が立ち上げられて計画が決定され、ようやく工事にいたりました。

  さらに工事前には建物前で発掘調査が二度も行われ、旧伽藍の回廊の柱跡が新たに発見されるという朗報があり、この護摩堂の位置も精確にその秩序に乗せてあります。また護摩堂の図面は、着工前には鈴木先生もていねいに目を通され、いくつか貴重なご示唆もいただきました。

<建築概要>

敷地面積 建築面積 延床面積
9,060m2 149.1m2 :45坪

117.6m2 :36坪

平屋建 施工 竣工
伝統木造 `島工務店 2012年9月